放送大学のオンライン授業『がんを知る(’16)』(2021年2学期)『がんとともに生きる(’18)』(2022年1学期)を受講した。
親族や家族にがん死が多く、覚悟は決めていても「がん」についての知識は知りたいものだ。様々ながんに関しての本も良いが、専門家によるこの授業は、想像してた以上に詳しく解りやすく、勉強になった。
『がんを知る(’16)』はがんに対する様々な知識、がんの発生メカニズムからがんの予防や検診の必要性など、主ながんに対する知識についても解説されてる。多くの専門研究サイトのリンクも貼られて、最新の研究成果も学べる。

『がんとともに生きる(’18)』は、がんと診断をされた時の対応について学ぶ。がん患者となった場合に、がんの宣告は死の宣告ではなく、現在はがんと共存しながら生き続ける可能性もある。最新の様々な治療法や、決して不治の病ではなくなったがんの、治療を続けながら働くというサバイバーシップや、死生観についても学ぶ。がん患者の生き方から、がん教育や早期発見のためのがん検診の大切さも学べた。『がんとともに生きる(’18)』はがん患者の看護やサポート、患者のサバイバーシップなど、より実践的な対応について学べる。
がんの死亡者数は年間37.6万人(2019)、がんの罹患者数は年間98万人(2018)、生涯発生リスクは男性65%、女性50%(2017)にのぼった。1980年以降、感染症や脳卒中を抜いて死因のトップになった。がんは決して他人事ではなくなってきた。そういうがんに対する正しい知識と対応、がんとの診断を受けた時の対処や考え方など、この科目は受講すべき大事な内容だと思う。
『がんを知る(’16)』は、『がんとともに生きる(’18)』を受講する前、あるいは同時に受講すると理解は深まると思う。
授業の進め方
「講義メモ」をプリントアウトして、講義ノートとして使った。

「講義メモ」は市販のノートのように出来ていて、左半分には使われてた「講義内スライド」がある。「講義内スライド」は小さくて読みにくい。これは別にダウンロードして、デュアルモニタを利用して、学習進度に合わせて表示させた。
デュアルモニタ画面はグラフなどの一部以外はほとんど必要無かった。各章の終わりに小テストがある。小テストで満点を取るようにする。そのためには、小テストまでを1章ととらえ、確実に全問正解をするように、直ちに再テストを受けて全問正解にしておく。最終テストも、時間的には充分有るので、見返すことが出来る。
『がんを知る(’16)』も『がんとともに生きる(’18)』も、掲示板の形式でディスカッションの参加を求められる。受講者の自己紹介や、受講の目的など、また教師側から常に新しい情報も届けられる。終了後はメーリングリストに参加して、いつまでも最新情報を受けられる。
オンライン授業を受けた印象は
放送授業に比べ、受けやすい集中できる授業だと感じた。長時間ではなく、15分程度に区切られてる、15分程度しか集中できない自分のような者には合ってるのかもしれない。
視聴しながら、自分でノートを書きながらテキストを作るようで、聞き返すことも多く、勉強になった。残念なのは、印刷教材がなくて後で読み返せないことだ。講義メモをプリントアウトしても、文字が小さくて読めない。授業中に使われたスライドもダウンロードして保管した方が良いようだ。
何よりも、参考資料として示されたURLは保存した方が良い。いつまでも最新情報を調べるためにも。
レポートについて
レポートを2,000字以内でまとめる。範囲が広く、何をどうまとめて良いのか迷ってしまった。
「がんとともに生きる」のテーマに関連して、関心のあるテーマを自分で決めて、項目立てをしながら、「現状と課題」、「調べたり新しく知った内容」、「がん患者・家族・体験者(サバイバー)にどのように向き合い、支えるのがよいか」についてまとめてください。
レポートなど半世紀もの長時間、書いたことなどなかった。仕方なく頑張って、三段階でまとめた。
1)がん患者の増加と高齢化:治療介護と経済的不安
がん患者の発症と死亡数の変化を調べ(授業中に出てきてた)福祉関係の授業で学んだ、高齢化率と、高齢者の経済的問題をまとめた。
2)がん患者に対する緩和ケアの取り組み
WHOのがん患者に対する緩和ケアの方針と、地域緩和ケアシステムの取り組み方や在宅看護介護について、特に高齢者夫婦と高齢者一人暮らしへの、国としての取り組みをまとめた。
3)がん患者への緩和ケアと地域包括支援に望むもの
身近な親族、両親や親戚や妻など、ガン死者が多く、その入院と介護を見てきた。高額医療制度があっても、経済的負担の大きさは意外と大きい。さらにがん死後に遺された者の精神的孤独感は強く、様々な機会を設けて、グリーフケアも必要ではないか。
文字数の制限も有り、上手くまとまらなかったが、何とか合格となった。
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