新型コロナの第4波の感染者急増に伴い、緊急事態宣言が発令され、極力人流を抑えるようにと連日報道されてる。
この分なら県内各地の温泉地も、大変な事になってるだろうと、12日から14日の3日間、草津温泉・沢渡温泉・川原湯温泉・伊香保温泉を回ってきた。草津温泉以外は、人流の無さと余りにも閑散とした状態に驚いた。これでは経営的に大丈夫なのだろうか。
9月12日の日曜日、まだ宿に入るには早かったので、天狗山第1駐車場に停めて、西の河原公園を歩いた。駐車場はほぼ満車状態で、半数以上が県外ナンバーだった。全国の観光地や温泉地は、移動禁止の要請が出ていて、何処も閑散としているようだが、草津温泉だけは特に県外者の制限は無いようだ。
西の河原公園も、草津に行く割にはあまり行く事もなかった。久し振りに歩いてみたが、わずかの間に随分と作り替えられていた。整備が進んだと言うべきなのかもしれないが、自然のままの源泉の流れが分からなくなった。足湯を作り、様々な自然に出来たような湯だまりを作ったようだが、見事なまでに観光地用になった。
見た目は良いが、日本でも最高の源泉湧出量と、豊富な源泉の自然の流れが、人工的に変えられた事は残念に感じた。温泉の研究者も、草津温泉の「時間湯」廃止に反対したが、それと同じようにこの状況にはガッカリした。
もっとも、初めて草津温泉に来られる人には、この美しい景観に驚いていたようだが。自然の荒々しさは消えて、美しい自然らしさに変わっていた。
特に作り替えられたのが、地蔵の湯周辺かもしれない。「地蔵の湯」は江戸時代から「時間湯」の伝統があり、特に明治に入ってから湯長制度が確立され、48℃という高温湯での湯治が盛んになった。数年前から大勢の人達の要望を無視して「時間湯」制度が廃止された。
「時間湯」の廃止に伴い、周辺の整備が進み、若い人達のための「漫画堂」とかが作られた。湯治で健康の回復と言うよりも、漫画を読め、かな。
前日は夜遅くまで若者で賑わっていたのに、翌朝は誰も居ない湯畑周辺。以前は早朝の5時から「白旗の湯」の共同湯に多くの人が集まっていた。どうやら若い人達は夜の方が好きらしい。温泉療養よりも、人流抑制で行き場の無くなった人達が、観光地化された草津温泉に集まったのかもしれない。
「時間湯」を廃止し、温泉療養よりも観光地化を前面に出したように思える。これだけ様々な施設や整備に資金を入れれば、多くの人が来て金を落とさなければ、町としては大変な事になるのかもしれない。
これだけ観光地化してしまったら、元に戻すのは大変かもしれない。伝統ある湯長による「時間湯」を廃止し、高温湯で知られた草津温泉の温度を下げ、個人的には、ここはもういいかな・・・、かな。
長く草津温泉には通ってきたので、自分なりの強酸性高温湯の利用の仕方を覚えた。草津温泉で療養する時には、それなりの宿を利用し、自己管理で行うことにしよう。

草津温泉が好きで、草津温泉で病気やケガを治してきた人達や、温泉が好きで温泉を学んでる人達と連絡を取り合い、日本で最高の草津温泉に通ってきていた。草津温泉の素晴らしさを共に語り、多くの人達に大いに喧伝してきた。でも個人的にはここまで観光地化されてしまうと、魅力も無くなった。
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