龍鳴館に初めてお世話になった。湯は最高だと聞いていたが、確かに素晴らしかった。
泉質:カルシウム・ナトリウム一硫酸塩・塩化物温泉、泉温:54.8℃、8.4pH、湧出量:135リットル/分。
沢渡温泉というと「草津の治し湯」とか「一浴玉の肌」とか、何となく草津温泉のついでにと思われがちだが、昔からここを愛する文人墨客も多い。もちろん熱心なリピーターも多い。この温泉が有ってると感じたのも、効能が素晴らしかった。一般的な温泉の効能の他、神経痛・リュウマチ・運動麻痺・慢性消化器病・肥満症・糖尿病・婦人病など。冠動脈狭窄や肥満症・糖尿病・慢性制腎臓病の治療中の自分には合っていたのだろう。交通の便も、免許返納後も中之条駅からバスも出てる。長く付き合えそうな温泉地であり、旅館でもある。
詳しくは、公式の沢渡温泉を
源泉井が近く、沢渡の地形から見れば、源泉の隣でわずかに低い位置にある。現在は1本の源泉からの動力揚湯泉を、沢渡温泉の全旅館に配湯してる。龍鳴館の場合は、動力揚湯された源泉が、空気に触れる事無く館内に届き、新鮮な状態でそのまま湯船に注がれてる。湯船の構造からなのか、注がれる湯量が多くて流れが有るせいか、細かくなった湯の華が底に沢山沈んでる。湯口からの量も多く、湯口にはコップとひしゃくが置いてあり、飲泉も出来る。

湯船近くには、源頼朝がここの温泉を利用したときに座ったという石がある。昭和20年の大火で、沢渡温泉全てが消失したが、石も焼けて被害を受けたが、残ったそうだ。石と言っても一部が出てるだけで、下の大岩の一部らしい。
初めて内湯に入ると、かなりの高温泉で驚いた。聞くと源泉をそのまま入れて、加水も出来ないように水道のホースも無い。木製の湯かき棒が有るだけ。湯船の広さと吐出量から、少しかき混ぜたくらいでは熱い。不思議な事に入ると、意外とは入れてしまい、次第に慣れると気持ちが良い。
冠動脈狭窄でステントを入れた影響か、投薬治療の薬の影響か、膝から下が浮腫んで足の甲などは大きく膨らんでいた。足首も動きにくく、まるほん旅館の湯小屋風の湯船まで降りる階段がきついと思われたので、同じように源泉近くの龍鳴館にお世話になったのだが、ここの源泉使用が自分には合っていたようで、足の浮腫が消えた。高温泉に慣れると、気持ちよく首までは入れたのだが、膝から下の浮腫の部分がズキズキ・チクチクと痛み出してきた。勝手に温泉の効果だろうと思っていたが、翌朝になって浮腫がかなり消えていたのに驚いた。
帰りに宿の人にその事を話したら、昔からの常連さんは、ここの宿の温泉が良いといって何度も来られるそうだ。男女の内湯の他、家族風呂があるだけで、露天風呂は無い。露天風呂は無いのかとの問い合わせもあるようだが、源泉の利用に関しては豊富な掛け流しを守るためにも昔のままにし、常連さんが良いと言うこの湯使いを守ってるそうだ。
ヒグラシの音を聞きながらの夕食、旅は本当に良いものだ。なによりも、わずかな年金だけで生活してるものにとっては、安い宿泊料金で源泉の恩恵を被り、食事を楽しんでノンビリ出来るのは、まさに命の洗濯だろう。ありがたい。
残念なのが、武漢発症の新型コロナの影響が、1年半経った今も様々な変異種を作り、世界中をパンデミックが覆っている。小さな温泉地はその影響をまともに受けて、極めて経営困難に陥ってる。全国には、既に閉鎖した有名な旅館やホテルも多い。早く新型コロナが治まり、静かに湯治が出来る事を祈るばかりだ。
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