温泉のための地質学・地理学を知りたいと思っていたのに、壮大な地球の歴史を見つけた。
放送大学の授業の中で、地球の歴史を見て、地球がいかに奇跡の星であるのかを知った。ただ単に太陽の周囲を回る星の誕生だけではなく、多くの奇跡によって地磁気も生まれ、太陽風から守られ、地球表面に大気と海が出来た。

地球の歴史に比べ、人類の歴史はあまりにも短いものだ。
人類の進化も、奇跡の積み重ねでできた。アミノ酸などから原核細胞へ進化し、やがて真核細胞を生み、結合して生命体の歴史が始まった。この時から人類が誕生するまでに、通常の進化時間を計算すると150億年かかるそうだ。40数億年の地球歴史の中で、現在まで来られたのは、何度かの大量絶滅と、その後の生物の進化があった。
人類は短期間に生息数を伸ばした。脳の発達は様々な技術を生み、それを伝え、工夫し、定住して穀物や家畜という食料の生産性を高めた。
2050年までに、世界人口は100億人になると予想されている。さらにその50年後には、50億人まで減少するとの予測がされてる。人類はどこへ進むのだろうか。
人工知能AIのロボットが、人間や他の生物体のような、自己再生能力を持ったとき、新しい人類の歴史はどの様になるのだろうか。人類の幸福のために、人類を守るために、人類を滅ぼす原因を除けと命令されたら、人類そのものが除かれてしまうのではないか。
ロボットといっても、人間が考えた形は人型だが、AIから見れば人間の形よりも、より合理的な形を作り出すかもしれない。新しい金属を合成し、AI を守る作る容器を作り、必要に応じて複製、数を増やし、人類に変わる地球の征服者になるかもしれない。
やがて人類の夢だった、他の惑星を目指し、新天地に向かって、人類とは別の進化を遂げながら増え続けるかもしれない。地球上の生物体のように、酸素も水も、食料も必要なく、新たな星での自己再生はそこに耐えられる容器を作れるかだけだ。もうその時には人類は必要ないかもしれない。
人類数万年の歴史は、絶えず食料を求めて戦い続けてきた。その中で宗教も生まれ、共生を考えるようになったが、その宗教で戦いも起きてきた。わずか200年前から始まった産業革命は、地球史の中では考えられないような科学技術を生み、人類の生息数を増やし続けてる。さらなる欲望から、より効率を高めるためのAI技術が、そろそろ自己生産・自己再生・自己学習という能力を、自ら得ようとしてる。
もう少し生きて、この先を見てみたい気持ちもある。意外と早く、人類は大量滅亡するのではないかな。その後に残された生物が新しい地球の征服者になるのか、それとも小惑星の衝突で地球自体が新しい歴史を作るのか。

仏教に「成住壊空(じょうじゅうえくう)」という、四劫の教えがある。ものができあがり、その豊かさを享受し、壊れ、何も無くなる、というものだ。子供の頃にそれを聞いて、いつまでもその恐ろしさが消えなかった。
体が弱く生まれ、人はいつかは死ななければならない。ものには常住ということはない。それを教えたかったのかもしれないが、長く恐怖心だけが残っていた。いま地球の歴史と未来を見ると、「成住壊空」以上の恐ろしさを感じる。日本という安全な、幸せな国に生まれ育ったと感謝しているが、もう人類は同じ時間の中で進み、共に一瞬で滅んでしまう危険もある。
AIにより、もっとも良い方向を選び、決断し実行してもらうより他にないのかもしれない。そんなつまらないことを、夜も寝ないで考えてしまった。
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