ダムに沈んだ源泉と沈鬱

群馬県には、草津温泉・伊香保温泉・四万温泉という全国でも有名な温泉地が在る。さらには近年の掘削技術の向上と温泉ブームから、県内各地には多くの温泉施設が出来た。その多くの温泉の中には、今は寂れ寂しくなり、時には秘湯などと言われてしまう素晴らしい温泉地もある。毎年、草津温泉が温泉地の人気ランキング1位になってるが、その草津温泉さえもランキングに出てこなかった昭和初期のランキングに出てきてた、有名な温泉地と名旅館があった。

穴原温泉(現老神温泉)東秀館の源泉

最近、午後になると1分間に2から3回の期外収縮が起きて息苦しい。で、ヘレン・メリルなんかを聞きながら、ノンビリとまだ寝てて、スマホの画像を見てる。

まだ伊香保も草津も四万もランキングに出ない頃、川原湯温泉も老神温泉も20位内にランクされてた。その全国的に有名だった温泉地が、治水とか東京の水瓶とか言われて、源泉や幾つもの共同湯が湖底に沈んだ。こういうのを時代の衰勢というのだろう。

老神温泉の源泉と共同湯跡

存在は無から離れず、無もまた存在の横に在る。憎しみも苦しみも悲しみも楽しみも本能の欲求も、有と無の間の「ユラギ」なのかも。などと妙に哲学的な事など、ニャンコと枕を並べて寝ながら考える。同じようにイビキで寝てるニャンコは、こういう事など考えまい。それが、実は物事の実相なのでは、などと思う。

川原湯温泉旧王湯源泉
川原湯温泉新源泉(沈む前)

かつてのランキング10位内に在っても、今は賑わう事もない。多くの人が訪れ愛でた自噴の源泉も、まだまだ何も変わらず湧き出している。存在は在っても、それは「無」。いつかは再び人が訪れ、かつての名旅館も輝きを放つだろうか。

なんか……、今朝は妙に鬱になりそう。となりのニャンコのイビキが、必死に引き留めてくれてる。

今は無き関場温泉湧出地

コメントを残す