生保の契約見直し

会社を早退して、生命保険の契約の見直しに行ってきた。以前から見直しの件については連絡をしていたが、何も返事が無くて、こちらから見直しの内容をメールで連絡したら、直ぐに手続きが出来ると返事が来た。

娘と連絡をして、最低限まで下げることにした。終末期には娘が全ての責任で面倒を見ると言ってくれたが、最低限の金銭的なまかないは用意しておきたい。前年の保険内容の確認を見て検討した。

保険も必要だが・・・
生保の知識が無いと、契約内容の変更等に関して不安もある。営業員と相談しても、チョット難しい面もある。やはり自己責任で、最終判断をしなければならない。特に独居老人にとって、癌ならば一切の治療はしないと決意していても、いつ何処で事故や災害に遭い、伝染病等に罹患して本人の意思に反して治療が始められるか分からない。いざという時のために、入院のセットと『お薬手帳』保険証と共に「尊厳死の宣言書」も、「担当医殿」宛てで書いてある。終末期になってからの保険や治療に関しての知識も無いと、生きることも難しいようだ。

内容は、主に癌での入院や死亡保険がメインになって、掛金が常識を外れて大きかった。妻の死亡後に半額近くまで下げたが、それでも癌との診断時に300万円の支給が有り、入院中は治療費の3割が支給される。入院は1日につき5千円、死亡時には1,500万円の支給額。更に他の癌保険が2口あり、癌と診断されると10万円×2、入院(癌のみ)は1日に1万円×2、癌での死亡時100万円(癌以外10万円)×2。毎月の掛金合計が6万円近い。自営を辞めてノンビリとした、でもないが、契約社員としての給与は手取りが11万円くらいだから、給与の半分は生命保険に消える。確かに異常だった。

今回は入院1日5千円、死亡時には葬儀代程度にした。掛金は12,000円まで下がった。まだ高いが、10年逓増のプランなので仕方ないかも。この歳では他の生保には代われない。癌専門の保険2口も1口にする予定だ。

現在通ってる会社内でも、癌患者が数名出て、1名は若くして亡くなった。同じ部署の主任の母親も膵臓癌で入院中だ。大学病院に行くと70歳を過ぎて発症した人が多かったそうで、生保の見直しは気をつけた方が良い、止めたとたんに癌になったという人が多い、などとも言われた。それでもまあ、自分自身の意思として、完全に治療前に戻り、自由に動き回れることが出来なければ、何の面白味も感じない。その為の「尊厳死の宣言書」としての意思表示をハッキリとしておいた。

妻の死亡後、妻に対しての不信感が沸いたのも生命保険の内容の確認をしてからだ。

癌と診断書が出て700万円、癌(三大疾病)での死亡時3倍保障で6,000万円の支給額。入院治療に関しては日額3万円、保険支払分の3割支給。月に200万円の治療なら60万円が支給されるが、実際には高額医療費として実額8~9万円だから、差額の51~52万円+3万×日数分が給付額となる。癌になり、高額の治療を長期間続け、最後に癌死すれば相当な金額が入ることになる。

営業担当者が言うには、遺された者としては6,000万くらいの保障も必要と言うが、要は宝くじのような賭だったのかと疑う。36年間の夫婦生活の中で、彼女は常に自分の実家の両親、パチンコ依存症の、そればかりに心を砕いてきた。新しい自分の家庭や子供達のことは二の次だった。そんな心配事の中で妙な霊能者を紹介され、あなたの夫(私は)は64歳に成ると癌で亡くなり、あなたはそれを悲しむが自殺しようとしても死ねないで88歳まで生き続ける、と言うような事を言われたらしい。確かに私の両親は二人とも癌で早死にし、親族の中にも癌死は多い。癌と並んで心筋梗塞での死亡も多い。生命保険は、一種の賭だったのだろうか、などという疑問が消えなかった。

 

まあ、それはそれで、今年は七回忌も過ぎ、少しずつ自分なりの生き方を模索できるようになった。妻に対する疑念は消えることはないが、何にも替え難い宝物、二人の子供を遺してくれた。それぞれ問題も無く育ち、健康でそれぞれの仕事に誇りを持ってそれなりの成果も出しているようだ。子供達を老後の保障とする気持ちは全く無いが、いざとなれば誰よりも心強い相談相手になってくれる。生命保険以上の心強い保障かもしれない。

まだ自分自身の中には得心できないモノも残ってるが、人生全てが得心できるわけでもない、等という割り切り方もこの歳に成って出来るのかもしれない。

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