我が群馬県

我が群馬県よ、やはり群馬県は良いなあ。四季がハッキリとして季節の景観が美しい。山々の見事な自然と、何よりも温泉が豊富で、食べ物も美味い。

大間々町渡良瀬川ながめ橋

カラッ風とカカア天下

渡良瀬川から見た赤城山 上州名物というと「カラッ風」と「カカア天下」が有名だ。群馬の3Kというのも有るそうだ。「カラッ風」に「雷」、そして「カカア天下」だそうだ。実に上手く群馬県の気候・自然と県民性を表わしている。

桐生市梅田町桐生川水源

内陸性気候の為に、夏は暑く雷が多い。この雷の為に米が美味くなるそうだが、果たして穀物の生育に影響があるのか、その事は良く分からない。また冬は新潟からの湿った空気が高い山に遮られて雪になり、乾いた冷たい風が吹き荒れる。こういった気温差の大きい、気候の変化がハッキリとした美しい四季の変化になり、作物の旨味を蓄えることになるようだ。

カカア天下と聞くと、福田元首相を思い出す。インタビューの時に「恐い存在ではなく、男を立てて表に出ないので、カカア(嫁)出んか、という・・・」、まさに名言である。群馬というと国定忠治などの博徒や、競輪・競馬・競艇などがあり、男は遊んでばかりと思われてるようだ。上州男は声が大きく人情に厚く、損得考えずに頼まれると尽力してしまう。最も真面目で騙しやすいのが群馬の男かもしれない。それを後ろで「家」をしっかり守っているのが上州女だ。働き者で明るくクヨクヨしない、肝っ玉の座った、大きな頼りになる女性達を「カカア天下」と言っている。群馬からは多くの偉人賢人が出ているし、首相も三名出ている。その人達を陰で支えているのがカカア(母親)とカカア(妻)だ。上州男は、幾つになってもカカアの下では子供に過ぎないのかも。

歴史的カカア天下
カカア天下の始まり物語は、東国、群馬のあたりを支配していた、豊城入彦命の子孫、上毛野形名の妻の奮闘から始まっているようだ。

上州は古来より四季の変化が大きく日照率も高く食材が豊富なせいか、人々の性格は熱しやすく冷めやすいと言われるが、それでいて温厚で力が強く、都へ労働力としても連れ出されたそうだ。万葉集の時代には、温厚で家庭思いの男達は「我妻よ・・・」「妻恋し・・・」と言いながら都へ旅立ったという。それが今の「嬬恋:つまごい」や「吾妻:あがつま」に成ったとか、成らなかったとか。上州男はカカアに守られながら、実は心優しい男でもあったようだ。

群馬の温泉地

四万温泉積善館

群馬県には温泉が多い。温泉地という呼ばれる所は200ヶ所弱有り、市町村が運営する立ち寄り湯だけでも300ヶ所も有ると聞いた。源泉としては3000以上の温泉が湧き、長野・新潟・北海道・福島に次いで、全国第5位であり、特に草津温泉は西の別府と並び東の草津というそうだ。温泉地としては東の横綱でもある。

木枠は将軍用温泉の汲み取り井戸

温泉街と温泉地の関係が分り難いところもあるようで、どのように区切って良いのか分からない。例えば、草津温泉は草津温泉地だが、幾つもの源泉がある。旅館の中に源泉を持ってる所もある。吾妻の浅間隠温泉郷には、三軒それぞれ違う源泉(温川温泉白雲荘・鳩ノ湯温泉三鳩楼・かやぶきの郷薬師温泉)を持った温泉地になっている。

泉質も放射能泉以外はほとんど揃っている。歴史有る温泉地から、秘湯と呼ばれるような温泉宿も在る。新緑の中の露天風呂も良いし、紅葉を愛でながらも良い。雪景色の中で、静寂の中で湯の湧き出る音を聞きながらの入浴も、また良いものだ。都心からも近く、このように恵まれた温泉と四季折々の食材を楽しめる群馬県は、上州人として自慢でもある。

群馬の立ち寄り湯

沼田市「しゃくなげの湯」

群馬県下には約3000もの源泉がある。どこを掘っても温泉が出るのだから、市町村で簡単に観光施設をと考えれば、地面を掘るのが最も簡単なことなのだろう。県下を適当にドライブしてると、良く「○○の湯」という看板を見かける。こんな狭い、山に囲まれた土地なのに、面白いほど様々な泉質の温泉が出るものだと思う。何処のサイトを見ても、群馬の立ち寄り湯を全て記載した所はないようだ。

市町村が観光を兼ねての施設も多く、地元野菜や加工した特産物も並べられている。特産物と言っても、山間僻地では山菜類が多く、農産物もスーパーなどに並ぶ様な形の良い物はない。形は悪いが、昔の野菜独特の濃い味がして、料理好きには涙が出るほど嬉しい。

群馬の食べ物

四万温泉「くれない」

群馬の特産品と言っても、大体が山菜と野菜類だ・・・と思われがちだ。ところが実は群馬は食肉、牛も豚も美味い。全国には有名な高級ブランド牛があり、TVでも随分と紹介されている。群馬のブランド牛として赤城牛とか宮城牛が有るのだが、全国的に余り知られていないのが残念だ。価格こそ安いが、味に関しては高級ブランド牛に引けを取らない。

身近な者でさえ余り知られていないのが、群馬の豚肉だ。これほど美味い肉はないのに、身近すぎて気付かないのかもしれない。群馬の豚肉は「麦豚」が昔から有名で美味い。最近では「もち豚」という物も出てきて、これが実に美味いと聞いた。最近は各種の豚を開発してるらしい。群馬の旅と言えば、絶対に外せない食材だ。

群馬のお肉
株式会社群馬県食肉卸売市場では、群馬牛や群馬の豚肉について詳しく書いてあります。群馬の肉牛は各地の高級ブランド牛に引けを取らない美味さだ。個人的には群馬の豚肉が最高だと思う。食肉加工品も、素材が良いのだから当然美味い。渋川市内に、上州牛のホルモンを料理した美味い店があると聞いた。

牛にしろ豚にしろ、水が良くて季候が良くて、豊富な穀物も育つ群馬の自然の中で育てられていれば、美味く成って当然かもしれない。といいながら、群馬県産の牛や豚は、上州牛・上州豚というブランド名だったことを最近まで知らなかった・・・

前橋市「食の駅」

群馬、上州は古代より日照率が高く、寒暖の差も大きく、麦を中心に豊富な食材が栽培されてきた。群馬の山々が育んだ水と、緑豊かな木々から生まれた空気と、カラッ風の中の太陽の恵みで育てられた小麦粉は日本でも最高級品だ。群馬県産小麦粉を使った「うどん」も有名で、県下各地にうどんの名店がある。他にも「焼きまんじゅう」「ラーメン」「焼きそば」等々粉食文化も素晴らしい。

小麦と共に、各地の野菜も本来の味を保っていて、実に美味い。高原野菜は有名で東京に出荷するための契約野菜だが、県下各地の特性のある各種の野菜や果物など種類も多い。個人的には富士見村のほうれん草が最も好きだ。出荷されて店に並んだ物とは比べものにならない、深みのある味わいが有る。自然のキノコや、森産業で代表されるようにキノコ産業も多い。下仁田ネギ・こんにゃくなども有名で、とにかくあらゆる食材が採れる。

群馬の街は映画のロケーション

わたらせ渓谷鐵道「神戸駅」

最近では、テレビドラマや映画にも群馬の地が使われている。古い農村や昭和初期や大正時代を思わせる町並みなど、見ていても懐かしい思いがしてくる。何でもない土地の裏町の通りにも、妙に旅情を感じさせる。安中の製糸工場が世界遺産認定になったが、それに負けないだけの地域は群馬県中にある。我が町桐生市も、遠く赤城山の雄志を望み、重い歴史の資産と共に人と共に生きてきた自然が残っている。

わたらせ渓谷鐵道
桐生市から栃木県の足尾までの、わたらせ渓谷に沿って走るわたらせ渓谷鐵道は、その景観の美しさからCMや映画などに使われている。映画「海街diary」では、「かじかざわ駅」として浅野すずと鎌倉に暮らす三姉妹との、重要な場面として出ていた。

群馬の歴史は、遠く四世紀には独特の文化圏が出来ていた。その長い歴史の中に、群馬独特の文化が育まれて、農村から市街地にまでその蹟が残っている。ドライブで通り過ぎるだけではなく、小さな街でも裏道にはいると、何となく懐かしい風景に出会える。日本の映画界も、群馬のこの町並みを使うべきだと思うのだが。群馬各地の町並みは大事な文化遺産だ

【じゃらん】料理、温泉、おもてなし…クチコミで選ばれた人気宿ランキング