1×10sで起きた厚み不足の不良

1×10sの母管側の溶接部が、板厚マイナスで不良になった。溶接時では確実に問題は無かった。何故この様な事が起きたのか。問題の発生は簡単な事で、バフで削り過ぎたのが原因であり、更にこのような状態になったのは、前工程で確実に押し切っていなかった事だ。それでも全ての原因は溶接という事になる。詳しく何故不良が起きたのかを検証したい。

右は不良品で、左は溶接前の物。枝管側がかなり開いているのは、枝管の左側を見れば分かるとおりズレを治した後がある。赤い印の線は刻印のある側。刻印の無い方がズレて出過ぎていたので、プレスで押して高さを合わせた物なので、溶接が出来なかったものです。すれば出来たが、後の修正が面倒なので溶接はしなかった物です。母管の先が開き過ぎでも、形状は変わらないので参考にして比べてみたい。

先ずは枝管から見てみよう。緑の線は切削寸法です。枝管の向う側を見て下さい。左を見れば分かるように、シッカリと押されています。右の通り、問題は無いようです。

こちらの枝管はどうかというと、こちら側は良く押されていない。故に切削後の状態は何とか板厚が保たれている。

枝管の先、こちら側は何とか大丈夫のようです。余り良く押されていないようですが、何とか大丈夫なようです。

これが不良とされた部分です。右の溶接部を見れば分かるように、溶接部が薄くなってます。2.45tまでは良いのですが、これは2.1tの部分まで有ります。確かにこれでは不良です。バリが管の中に向かって出来ていますが、これは完全に板厚がマイナスに成っているからです。実はこの先の所よりも、更に奥に10mmの所が2.1mmに成っています。

上図左の母管の先を見れば分かりますが、充分に押されていない為に、先が跳ね上がっているようになっています。しかも溶接部の隙が開いている為に、右は4.5mmの開きですが、これはズレを治す為に枝管の先を押して下が開いた物で、実際には3mmくらいの開きですが、溶接幅を小さくしてバフ工程で時間を掛けないようにしたので、溶接部の厚みは充分でも尖ったようになり、バフで削り過ぎて全体的に溶接部が薄くなってしまった。かつての西沢継手やコトブキ電器では、バフには充分に気を付けていたので、このような事は起きた事がなかった。実は溶接行程では、いくらか裏当てから浮いてる方が熱を奪われないので、溶接は綺麗に早くできる。溶接幅を狭くし、バフも簡単になっている。

参考にベルター式のバフ機を見て見よう。

通常は手で持ってバフ加工を行いますが、これはベルター砥石を挟むように板が有ります。これが板の下の支点を中心に上下運動を行い、溶接部を丸く削るようになっています。これはこれでかなり良い考え方とは思いますが、実際には前工程によって、確実に中心部に溶接線が来るとは限りません。また今回の問題のように、溶接線が高くなってしまった場合、同じように丸く磨っては溶接部分は確実に薄くなってしまいます。支点の位置を変える事によって、半径を変えられるのですが、それなりに気を遣わなければ、当然板厚は薄くなってしまいます。今までは全く問題は起きなかったのに、最近こういう事が起きやすいようで・・・

更にアップしてみれば分かるが、充分に押し切れていない。それでも、こちらの方は何とか救われている。

不良側だが、何でも溶接不良で済ませているが、良く見れば分かるように溶接部の横もマイナスしている。この様に成らないようにするには、裏当てを更に磨り浮かせる状態にし、時間を掛けてベッタリと溶かす事だ。溶接幅が広くなり、時間を掛けて溶接すれば溶接部は固くなる。バフで時間が掛かり、バフの消耗も早くなり、バフ単価はどうなるのか。

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