ゴミや油脂類の影響

汚れの種類

 汚れの種類としては、油脂類・粘着テープ・潤滑用ビニール・ホコリ・金属粉などがある。

油脂汚れ

 上記画像は潤滑剤の油脂が残っている状態。表面のこの様な状態なら何ら問題はないが、右の枝管部を見れば分かるように、したたり落ちる程付いていることがある。板の表面なら燃えるだけだが、溶接部の板破断部に付いていると問題になる。

 この油脂類を、溶接行程で処理するのは難しい。拭き取ろうとすれば、破断部の荒れた部分に布汚れと共に更に寄ってしまうことになる。エアーで吹き飛ばすにも、丁寧に裏表を吹かなければ成らず、時間が掛かる。あらゆる汚れの中で、油脂類がもっとも扱いにくい。

油脂・ゴミ・ビニールの汚れ

 単なる汚れ・・・ではない。油脂類がタップリと付いていて、しかも各種のゴミがあり、細かなビニールが糸状になって付いている。幾ら拭いても、ここまでの状態になると対処の仕方がない。

 溶接前の行程として、トリクレンでの洗浄は絶対に必要になる。溶接の手法で、これらの品質への影響は防げるが、溶接自体は難しくなり、見栄えも悪くなる。

油脂類があった場合の裏波

 これは少し極端だが、油脂類があると、特に板の表面ではなく溶接部にあると、水が散ったように溶融池から撥ねたよう出る。特に裏当てとの隙間が有ると出やすい。

 もっとも困るのがこれだ。これは粘着テープの粘着ノリが残っている。ノリは溶接で溶けてくるだけではなく、大きなゴミを貼り付けてしまう。刃物で削ってもヤスリで擦っても、逆により各種のゴミを付けることになる。外なら溶接時に気を付けられるが、この様に内部にあっては、溶接をしてみるまで分からない。良く見れば分かるように、炭化物を巻き込み、深い穴が出来てしまう。

 粘着テープの後がある場合、ほとんどこういう状態になる。外側にあっても同じ。この修繕は、とにかく裏から削って穴の底までえぐる。その次に外から溶かし落として高さを揃える。更にその周辺を、棒を加えずに弱い電流で溶かして均す。その表面を軽く削って状態を調べる。

 これは1×10sだが、修正が出来るのはこのサイズまでで、これ以下ではトーチも入らず、かなり難しい。これら油脂類の汚れ他、ほとんどの汚れはトリクレン洗浄で解決できる。汚れを取るだけではなく、溶融池と板材との馴染みも良い。

コトブキのアセトン洗浄

 これはコトブキのアセトン洗浄(アセトンと言っていたが、本当はトリクレンだと思う)。カゴの中に並べて、丁寧に並べないと汚れが下に垂れて溜まってしまうので、それをトリクレンの蒸気で洗浄する。構造は簡単で、トリクレン溶液を入れて下から加熱して蒸気にする。蒸気が上からでないように、水道水を周辺に巻いた細いパイプに通し、冷却して蒸気を液体に戻している。純粋な物ではなく、再生品で充分に洗浄できる。

2×10sの裏波

 これはコトブキの2×10sの裏波。トリクレン洗浄をした結果、汚れがなければこの程度に出来る。裏当てと良く合っていないが、綺麗な溶接になる。溶接前の洗浄の必要性は、単に溶接がし易くなるだけではない。品質の向上と共に、溶接後の行程にも大きな影響を与える。

溶接幅が広い場合のゴミの巻き込みなどに関しては、3×2×10の後半部分

 溶接幅が広い、溶接部が開いている場合は、問題の起きることは少ないようだ。溶接に時間が掛かり、ゴミなども燃えてしまう。燃えるように浮いてきても、棒のつぎ方を工夫すれば上で固まってしまう。裏当てと合わず、浮いてる場合には浮いた方に出るようだ。

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